アクエリオからラッドシティへと移るその前に
オレは一度エルフヘイムへ戻ることにするぜ
懐かしいエルフの友人の結婚を祝いにな！

ちと遅れるが…ラッドシティで会おうぜ！
またな！皆！！


＊
と、いう事でちょっとエルフヘイム行ってきます
戻るきっかけとなった出来事をのせのせ
収穫祭には戻りますのでしばしおまちをー

アクエリオでの大きな戦いがおわってすぐ、一通の手紙が届いた
羊皮紙に綴られるのは綺麗な文字
差出人を見れば、フレドリク・ミュンヒハウゼン。エルフの友人だ
はやる気持ちをおさえつつ、そっと封を開けた

　ステュクス、元気にしているだろうか？
　私は相変わらず、警備隊として平和の為尽力している
　あと…、シエナとの婚礼も無事すませた
　今は共に夫婦としてすごしているよ

友人と、その恋人を思い出しクスリと笑みがこぼれた
なかなか素直になれなかったようだが、ついに結婚したらしい

　そして、ドランジはというと…
　あいつは驚いた事に、冒険者となってな
　お前達エンドブレイカーを追うのだとかいって旅に出たが…
　１週間ともたず帰ってきた、まったくもって恥ずかしい話だ
　少しこりたのか、今度は下調べに準備をちゃんとしてからまた行くらしい

もう1人の友人は相変わらず勢いで生きているようだ
そちらも思い浮かべ、やれやれと笑ってしまう

　今回手紙をだしたのは、近況を伝えたかった事もあるのだが、
　実はドランジの旅と重ね気になる事があってな
　お前を…ステュクスという人物を訪ね一組のカップルがやってきたんだ
　話を聞けばその二人の大切な人らしいが、どうやら名前が同じだが違う人物らしい
　姓も、響きはにていたが『ドミリオル』ではなかったし、人物や性格もまったく違う
　どうやら彼らが探す'ステュクス'は誠実・勤勉・実直な人物らしい
　まったく、同じ名でもまったく別の性格の人間がいるらしいな
　彼らは次にアクエリオの方へ行くといっていた。もしかすると会うかもしれない
　ちなみにその二人の名は

「・・・・！！」
久しぶりにみた、その名前
これは、オレの…ステュクスの……弟と妹の名前だ

　まぁ、そんな事があった。
　関係ないだろうが、一応報告しておくよ
　もしかすると、お前がその誠実・勤勉・実直なステュクスさんかもしれんしな

冗談混じりに書かれた文字
ひとまず心をおちつかせようと続きを読む

　さて、突然の手紙失礼したな
　また近くへ寄る事があれば是非訪ねてきてくれ
　それでは、またな。

シンプルに締めくくられた手紙だったが、それどころではなかった

今更。何故。
そんな疑問がぐるぐると頭を駆け巡る

はやくここから逃げなければ。

しかし彼らは、今の自分を見て気付くだろうか

いや、見つかってはならない

もし会えば、その瞬間に今の自分のすべてがなくなってしまう気がした

ステュクス・ドミリオルが、消えてしまうような

だから、逃げなければ

ただそれだけを頭に、あたふたと旅支度をする

しかし、途中で思い出す

出会った友人達の姿を

自分には、大切な友人達がいる
すべてがなくなってしまうことなんて、ないのだ
少し、落ち着きを取り戻す

そうだ、そんなに慌てる必要はない
オレは何も関係ないのだ

ベッドに座り呼吸を整え、これからのことを考える

もうすぐラッドシティへの旅立ちだ
とりあえず、それを後回しにしてドリクの結婚を祝いにいこう
それからラッドシティだ
きけば大きな祭りもあるという。それに間に合うようにしないと
まだ大丈夫、大丈夫。

あわてることはなにひとつないのだ
おれにはなにもかんけいないのだから

呟いて、言い聞かせ、万が一に備えひとまず荷物をまとめた
エンドブレイカーの旅立ちまであとわずか。
今回もまた、オレはすんなり次の都市へはいけないらしい