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トミーウォーカーのPBW『エンドブレイカー』内のキャラ、ステュクスの日記。
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ステュクスの過去話
マスターの少女の話や家を出る話

途中で書いたり消したりしたので意味不明かも
とりあえず流れ的な感じでだらだらと
見てやろうって方は↓へどうぞ。


(背後:文章書くのって難しい。
 最後終わらせたくて微妙になったけど…まぁ、いいか…)
 
流れ的な感じ。 ぼやーっとしてるかも)




騎士の家系であるその家で望まれたのは息子だったが、生まれたのは娘

その娘が 息子 を育てるのと同じように育てられたのはごく普通の事だった

そんな彼女が生まれて、物心つく前からずっと教えられてきたこと

『お前は守るために生まれてきたのだ』

いつもそう言っていた、厳しかった父

彼女は当然その通りだと信じていたし

それこそが自分の生きる道なのだと信じて疑わなかった

守る事こそが自らの役目であり存在意義だと、信じていたんだ


そして彼女が生まれ10年がたった日、ガーディアンとして選ばれる

彼女の守るべき相手、スカードである8歳の少女

彼女はいつも少女に言っていた

「私がいる限り、貴女を守ってみせますよ」

「私は貴女のガーディアン。貴女を守る事が使命」

「貴女が私より先に死ぬことはないでしょう」

「私の名にかけて、貴女を守る事を誓いましょう」

少女はいつも、微笑んで頷いてくれた


だがしかし、3年が過ぎたある日に全てが崩れてしまう

ある日突然
         少女が
               死んだ。


彼女が父と隣の街に騎士の仕事に出向き、帰ってきて知らされた死。
『病』がもたらした死だと彼女が知るのはすべてが終わった後で
茫然自失としていた彼女はよく理解できる訳もなく
その後も周りが説明したりもしたが、彼女にはどうでもよかった
ただ少女がいない事だけはわかっていたから


少女を失って、一年目
無力な自分を悔やんだ
毎日、悔やんで、少女の墓前で謝り、泣く事を繰り返した

少女を失って、二年目
あの子を蝕んだ病を、そんな運命を与えた神を憎んだ
毎日毎日、何故あの子なのだと神に問い続けた

少女を失って、三年目
マスターである少女を、守る事もできなかった事を嘆き
そんな世界を呪った

そして少女を失って、四年目
遂には、死んでしまった少女を恨む事になった
何故自分をおいて逝ったのだと
何故『病』の事を言わなかったのだと
何故自分をガーディアンとして選んだのだと
何故、何故、何故、
恨みつらみをただただ呟き続ける日々

ついに5年目
彼女はようやく立ち直ることができた
後悔や懺悔、これまでの月日はムダな事だと
これからは前を向いて歩いて行くのだと決めた

そして、家に戻り告げようと決意する
少女の死を乗り越え、立ち直る事ができたのだと
少女の墓前から急いで屋敷に戻り、以前と同じように騎士の装いへ
まともな生活を送っておらず筋肉もおちた今の身体には鎧は重く
手早く身支度を整え居間に集まる祖父や父等に告げようと、また走った
扉にさしかかり、息を整えるために立ち止まる
そこで聞こえた話し声に、足を進める事はできなかった

「あの子を…ステュクスを頼むぞ、アレック」

「はい、おまかせください。
 私が必ず幸せにしてみせます」

父が呼んだ名、アレック。
彼女が守るはずだった少女の兄の名

彼が…自分を幸せに…する?

何の事だと、少し開いた扉をそっと覗けば久しぶりに見えるその姿

「しかし良いのかアレック…
 あの子を妻として迎えいれるとは、願ってもない事だが…」

「もちろん、構いません
 私は昔からの彼女を知っていますので、愛して…みせます」

自らの結婚の話だと理解した瞬間、思わずその場から逃げだした
彼女は恐ろしかった…もう騎士として必要とされないという事実が
そして何より、自分が女性として生きる事になるのが…
花嫁衣裳を着て彼の隣に並ぶなど、想像もできなかった
性別という垣根を今までないものして生きてきたのだ
そうしたのはこの家だ。娘でありながら息子として育てられたのだ。

はやく、はやくここを離れないと!

あれは夢だ悪夢なのだと、言い聞かせながら出口へと走る
自分はこの家で騎士として育ったのだ
跡取りは自分しかいない、まさかそんな…婚礼など…
信じられないと、ただひたすらに出口を目指した

「兄様!」

ようやく出口にさしかかったところで声をかけられる
振り向けば 精悍な男の姿

「兄様、どうかされたのですか?
 今アレック殿がいらしていて…」

喋り続ける彼は…そうだ、彼は自分の弟の…
呆然とした彼女を前に弟は話し続ける

「…兄様、もう家の事は気にしないで良いのです!縛られなくても…
 昔は病弱だった俺ですが、修行を積み先日騎士となりました
 この家は俺が立派についで見せます!だから、兄様は…!!」

最後まで、彼女に言葉が届く事はなかった

「兄様!!!」

自分のかわりはすでに 用意されていた。
彼女はただそれだけを理解して、逃げだした

もうここに自分の居場所などなかった
5年も立ち止まった自分にはもう、何もないのだ
少女を失った時点で何もありはしなかった



ただ闇雲に森を走り立ち止まり、また走っては止まりを繰り返し
辿り着いたのは大きな川の傍
一振りのナイフを取り出し左の胸の下へ

「ミリアリア…今…いく…」

守れなかった少女の名を呟いて、ナイフに力をこめる
想像以上の痛さに途中で引き抜くも、血が出てくる
朦朧とした意識のまま足を進め川の中へ入る
川に血が流れ出ているだろうが暗くて見えない
ただひたすらに足を進め、そのまま意識を手放した


そして彼女はそこで、死んでしまった

川に眠れる騎士の名は ステュクス・ド・ミニョンラウツ

死を逃げ場とした彼女は、少女にも会えないままに
ただ彷徨い続けるだろう



                           (ある川の水底に眠る騎士の話   ---おしまい--- )

================

(『旅を続ける騎士の話』)

川の下流に流れ着いた彼女を助けたのは年老いた冒険家で
ケガしていた彼女を手当てし、その後の面倒まで見てくれた好々爺
彼女が一人でやってけるようになるまで時間はかかったが、何とかなるものだ
すっかり師弟のような存在になった老人と過ごす騎士

彼女の名はステュクス・ドミリオル
マスターをなくしたガーディアンにして、家をすてた騎士
彼女は彷徨うように旅を続ける

                         (『旅を続ける騎士の話』         ---つづく--- )

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プロフィール
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ステュクス・ドミリオル
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非公開
自己紹介:
Styx
自称、ステキなお兄さん。
テンションの高い楽天家
年の割りに落ち着いてないがのらりくらりと生きている
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