いや、オレの誕生日があったワケだがよお
・・・・・・み、みんなマジでありがとう
祝いの言葉に、プレゼントまで…
うう、本当に嬉しかったぜぇ！！

２５歳になったオレも、あいかわらずのこんな感じでいくだろうけど…
よ、よかったら仲良くしてくれな！よろしく頼むっ！！

夢を見た。
オレは暗い場所を歩いていた
歩いてちょっとして、黒い水たまり…というより池みたいな場所の真ん中で泣いてる子供を見つけたんだ
こんなトコに一人にはしてられないと思って近づいて、顔を覆っている子供の手をとる
すると、こちらを見上げた子供
その顔にぎょっとして、オレは思わず後ずさった

表情どころか、顔のパーツがなにもない真っ黒い闇色
そんな顔をした子供が、じっとオレを見てくる
手を離して逃げ出したいのに、何故か掴んだ手を離すことができなかった
ゴクリと唾を大きくのみこむ
すると、足元の黒い水のようなものがオレを飲み込もうとするかのように這い上がってくる
少しずつ上がってくる水のような闇にただ震えている、前に立っていた子供が掴んでいない方の手を上げた

いや、オレの後ろを指差している

とまらない震えに、やっとの思いで指差す方、後ろをみれば　光
ずっと続いている闇の向こうから、微かな光がぽつぽつと差し込んでくる
ハッとして子供をみれば、頷かれた

そうか、わかった。行こう、光へ。

そう思って、次第に強くなる光の方へ歩を進めようとするも、子供は動かない
もう一度、手をもったまま子供を振り向けば
顔のないはずの子供が、なんだか笑ったような気がして
少し首を横にふって、するりとオレの手からぬけていった

一層強さを増した光がオレを包む
子供は逆に離れていって、オレのかわりに闇に飲まれていく

君は、　キミは、　　あの子供は、　-----------
　　　　　　　　　　　


手を伸ばした状態で、目を覚ます。
何やってんだオレは・・・
さめ切らない頭をかいて、あくびを一つかみ殺した

コンコン

窓をたたく音に目をやれば、そこにはスカイランナーが荷物を抱えていた


オレの最高の誕生日が、はじまった。