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トミーウォーカーのPBW『エンドブレイカー』内のキャラ、ステュクスの日記。
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仲間と騒いだ帰り道、寂しい気持ちが倍増する
暗い気分から立ち直れない

エルフヘイムで、オレはある女性と出会ったのを思い出した
===
若干、アダルティックかもしれない。
(やらしい部分とかはないですが) 
そして読みづらい。
注意が必要です
ただ語りたい、二人の物語
===

このアクエリオという地は美しい都市だ
しかし何というか、自分にとって気分のあがらない風景にも見える
水路に流れる水を見てると嫌な事ばかり考えてしまう

不安と 後悔と 悲しみと

どれだけ忘れてしまっても
どれだけ偽ったとしても
根底にある自分自身はかわらない
積み重ねてきた過去はただそこにあり続けるのだ

『あら、もう1人で大丈夫なのかしら?』

ふと、エルフヘイムを出る時にかけられた言葉を思い出す

ああやっぱり。自分は1人では駄目だった
沈んだままの気持ちは一向に浮上せず
ただただ日々を重ねるばかり

仲間達と過ごす時はいい
しかし1人になると、駄目だ

「セレネ…」

ふと、エルフヘイムで別れた彼女を思い出した

===

彼女との出会いはエルフヘイムにきて少したったある晩のこと
とあるバーで1人飲んでいる時に声をかけられた
上品な雰囲気だが、大きく開いた胸もとからは大きめな彼女の胸を強調していた

「隣、いいかしら?」
「ああ、構わない」

そのバーでは皆一様に、静かに酒を飲む
どこか暗く、寂しげな雰囲気をもつその場所は酷く居心地が良い
彼女は其処で唄を歌い、時に楽器を奏でているという

ただ、ぽつりぽつりと言葉をかわす
夜も深け、そろそろお開きかと思い二人で酒場を出る
それじゃぁ、と別れようとすれば引き止める声

「よかったら、この後もどうかしら」

男女間の、所謂そういう誘いかと思い首を横にふる
残念ながら自分にはそういった感情はまったくわいていない

「…不躾だったわね、ごめんなさい
 そういうんじゃないのよ」

何が言いたいのか、そう思い彼女を見つめた

「貴方、最近眠れていないんじゃないかしら?
 酷く疲れた顔をしているし、辛そうだわ
 私、わかるの」

何が、と問うように彼女の瞳を見つめ続ける

「きっと、1人で眠るより一緒にいた方が気も楽になるわ
 私が言うのも変だけれど、大丈夫。おかしな真似はしないわよ
 それに貴方、女性でしょう?」

ふふ、と笑う彼女に驚いた顔を向ける
気付いたのか

「言ったでしょう?私には わかる って。」

綺麗に笑ったその笑顔に、いつの間にか頷いていた
.

やってきたのは宿屋の一室
大きなベッドとクローゼットが一つ

「セレネよ」

ベッドに浅く腰掛け彼女は言った
唐突すぎて何のことか理解できないまま見つめる

「私の名前、セレネ」
「本名か?」
「さぁ、どうかしらね」
「じゃぁ、俺はニアだ」
「そう、よろしくね。ニア」

なんとなく、ニアと名乗り上着を抜ぐ
何故こんな事になっているのか、今までの事を振り返りながら彼女の隣に腰掛ける
いや本当に、何故こんな状態に。

「貴方、寂しいんでしょう」

いきなり何を?思い、横をみると手が

「!」
「私、よく眠れるおまじないをしっているのよ」

ぐっと、のばされた手が俺の顔を掴んで胸に引き寄せる
突然だったので対応できず、そのまま体制を崩してしまった
頭は彼女の胸元
だきしめるように固定された

「な…にを」
「大丈夫。ただ静かに、耳を傾けて」

ぴたり、耳を彼女の胸…心臓部分にあてられる

「大丈夫…貴方は、大丈夫だから」

何が、大丈夫なんだ
何を言っている

わからないままただ黙って耳をかたむければ静かに聞こえる

 トクン トクン

動く心臓の音

「大丈夫よ…」

静かに聞こえる彼女の心音と声に、いつしか俺は眠りに落ちていた
途中で目覚める事のない深い眠り
驚く程スッキリとした頭で翌朝目覚める事ができた

聞けば、彼女は人の心の暗い部分に敏感だとか
ただ酒を飲み、そして二人で眠る
彼女との、そんな奇妙な関係はエルフヘイムにいる間続く事になる

==
(セレネ視点)

共に眠るのを繰り返す内に回数は減り、ニアがあの酒場に来る事も少なくなった
しかしある日、久しぶりにニアが訪れたのだ

「ニア、貴方…」

髪もパサパサで、濁った瞳
随分と良くなっていた顔色が、また悪くなっていた
嗚呼、あのおかしな怪物のせいね

密告者と名乗ったあの紫色の怪物
アレがあらわれた時に心を壊される者は少なくなかった
恐らく、ニアもそうだったのだろう

「セレネ…」

ごめん、と困ったように笑うニア

「何言ってるのよ…」

謝ってほしい訳じゃないし、私は何もしていない
私は私なりの理由があってニアと一緒に寝ているのだ

彼女…いや、彼には彼なりの理由があって人を求める
私にも、私なりの理由があって彼を抱きしめ眠るから

丸くなり眠るニアを、赤子をあやすように背中をさすり抱きしめる

また幾度かそんな夜を繰り返す
そして、エルフヘイムも落ち着きを取り戻しはじめたある日
彼は言った

「次の地へ行こうと思う」

ニアと同じような立場の、エンドブレイカー達が旅立った事は知っていた
彼には少し時間が必要で、出遅れているのも
その日がきたという事ね

「あら、もう1人で大丈夫なのかしら?」

私の問いに、さぁどうだろうと肩をすくめる

「それじゃぁ、さようなら…ね」
「…ああ、ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう」

お互いに、礼を言ってあっさりと別れる
ニアは何か言いたそうにしていた
寂しくない訳じゃない
でも、ただそれだけの関係だったのだ

縁があれば、また会う事もあるでしょう
それがい良い事かどうかはわからないけれど

そう思いながら、私はまたあのバーに顔を出す
この場所には彼のような人がよく訪れるから

=======
(ステ視点)

思い出した、セレネの事

何かオレ、今すげーセンチメンタル。
別れた元カノを思い出しているような、そんな気持ち

そんな関係ではなかったとしても
そんな存在いたこともなかったとしても
そんな気持ちったそんな気持ち

笑うように振り返れば月に照らされた水面がキラキラと輝いていた

 大丈夫だ、オレは、大丈夫

じっと、揺れる水面を眺め言い聞かせる
誰しも人は1人であり、それぞれの時を生きている
何も深く考える事はない
そうだ、そうだ、何も考えないでいいんだ。

仲間と別れた帰り道、見上げれば、大きな丸い月が美しく輝いていた。


==========
いうなればロンサムナイト。
おわり。

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